開幕テンミリオン
撮影の裏側
140ページの脚本を10日間で撮り切った全記録
今回の撮影フル装備。総重量6〜7kg を身につけて10日間走り続ける。
YouTubeでドラマを作っているバズです。脚本、監督、撮影、照明、音声、編集、キャスティング、マーケティング——全部ひとりでやる「おひとりさま映画制作」を続けています。
今回の作品は過去最大規模。3話構成のYouTubeドラマと、ピアノ生演奏付きの舞台公演を組み合わせた本格ミステリー「開幕テンミリオン」。その撮影の裏側を記録します。
制作準備
2026年2月、脚本執筆からスタート。当初はショートドラマと朗読劇の小規模な企画のつもりで動き出す。
ところが書き始めると物語が膨らみ続け、3月頭の時点で120ページ。長編映画1本分の尺。内容が良くなっているので規模縮小という選択肢は捨てる(この判断を後で死ぬほど後悔する)。
3月はキャスティングに没頭。こだわり始めると止まらない。メインキャスト確定は4月頭。その間にも脚本は増え続け、最終稿は140ページに到達。
3月キャスティング&ロケ地選考
4月8日顔合わせ
4月26日撮影初日
5月8日撮影最終日
香盤作り
大人数のキャストの日程調整、ロケ地の確保、140ページの脚本をどう分割するか——これを「香盤」と呼ばれる撮影スケジュール表に落とし込む作業が地獄でした。
最終的に10日間の撮影日程で組む。群像劇でシーンの入れ替わりが激しく、計算しながら組んでいくのはパズルに近い。
さらに衣装香盤。キャストが多い上にカットバック(時系列を行き来する編集)が頻繁にあるため、誰がどのシーンでどの衣装を着ているかを全て管理しなければならない。ひとり制作でこれをやるのは正直キャパオーバーでした。
プリプロ・ラストスパート
4月8日の顔合わせから撮影初日まで約2週間。顔合わせで出た意見を脚本に反映しつつ、ロケ地の予約、自治体との広報調整、各事務所とのスケジュール確認を同時進行でこなす。
いつもは絵コンテを描いてから撮影に臨むが、今回はコンテを描く時間すらない。
そして今回、ブラックマジックデザインさんのご厚意で PYXIS 6K をお借りすることに。撮影前日はこのカメラのテストで手一杯。RONIN RS5 に載せて技術テストをしていたら深夜。ほとんど寝ないまま撮影初日へ向かう。
Blackmagic PYXIS 6K を DJI RONIN RS5 に搭載。RODE Wireless PRO、Samsung ポータブルSSD も装着。
地獄の撮影日程
本当の地獄は撮影が始まってから。初めてのカメラと格闘しながら、長編尺のディレクションを回す。フィジカルとメンタルの両方をフル稼働させる日々が10日間続く。
撮影が終わっても仕事は終わらない。帰宅後は翌日の確定香盤を作成し、各事務所にスケジュールを連絡し、後半のロケ地を確定させる。機材チェック、データバックアップ——気づけば寝る時間はほとんどない。翌朝はまた車を出してロケ地へ。人生最大のハードワーク。
毎日の機材。これを全てひとりで搬入・搬出する。
脱水症状
PYXIS 6K、RONIN RS5、そして DIGITALFOTO の THANOS というジンバルアームベスト。総重量6〜7kg のカメラ機材を常に身につけて、撮影とディレクションを同時にこなす毎日。
DIGITALFOTO THANOS。メイキング用の DJI Osmo Action 4 もベストに装着。
休憩時間も休めない。マイクの付け外し、ワイヤレス機器の充電、昼食の発注、照明の調整——休憩は「別の仕事をする時間」でしかない。
重い機材を持って動き回り、大量に汗をかいているのに水分をほとんど摂っていない。トイレに行って異変に気づく。キャストからは「白目が黄色い」と指摘され、帰宅後は吐き気で眠れない。
深夜にコンビニへ走り、OS-1をがぶ飲み。脱水状態で飲むOS-1は甘くて美味しい。美味しいと感じる時点でかなり危険な状態らしい。
撮影終盤
毎日いつ倒れてもおかしくない状態。それでもキャストのみんなが本当に良い人達で、現場の空気に救われる。
どんなに大変でも、格好良いショットが撮れた瞬間、疲れは全部吹き飛ぶ。その一瞬のために自分は頑張っている。
ぎっくり腰になったら全てが終わるという緊張感の中、10日間の撮影を無事に完走。
使用機材
今回の撮影で使用した主な機材をまとめておきます。
- Camera
- Blackmagic Design PYXIS 6K
- Lens
- Canon EF 24-70mm f/2.8L II USM
- Gimbal
- DJI RONIN RS5
- Vest
- DIGITALFOTO THANOS(ジンバルアームベスト)
- Audio
- RODE Wireless PRO
- Power
- SmallRig VB99(Vマウントバッテリー)
- Storage
- Samsung ポータブル SSD
- Sub Camera
- DJI Osmo Action 4(メイキング撮影用)
機材の詳しいレビューは別記事で書く予定です。
5月15日までクラウドファンディングを実施中。
この作品を一緒に完成させてくれる方を探しています。
About
「開幕テンミリオン」は、YouTube ドラマ+舞台のハイブリッド作品。消えた500万円を巡るミステリー。
ドラマは1話約40分・全3話で5月下旬から順次公開。舞台は6月25日・26日、J:COM浦安音楽ホールにて公演。ピアノの生演奏と共に物語が完結する。
あらすじ
演出家志望の青年・京は、幼馴染のマリアを女優にするため自主公演を企画する。演目は宮沢賢治『銀河鉄道の夜』。集まったのは、全員が何かを抱えた人間たち。
そんな中、ある家の金庫から500万円が消える。容疑者は出演者6人全員。刑事が稽古場に乗り込み、一人ずつ尋問を始める。全ての尋問が終わった時、舞台の幕が開く。
公演情報
2026年6月25日(木)・26日(金)
13:00開演/19:00開演(各日2回公演)
会場:J:COM浦安音楽ホール(新浦安駅 徒歩1分)
制作:ゴシップシュガー・フィルムズ
企画・脚本・監督:バズ平良
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