「カンパケ」って、ちゃんと説明できる?
こないだXでこんなポストをしました。
睡眠を削れば、何でも出来る説。
長編映画1本分を一週間でカンパケます
#開幕テンミリオン #ゴシップシュガー
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で、これ書いたあとに、ふと思ったんですよ。
「カンパケ」って、ちゃんと説明できるか?
いや、使ってますよ。めちゃくちゃ使ってる。現場でも普通に当たり前のように飛び交ってるし、CMやMVの制作現場でもずっと聞いてきた言葉。
でも、当たり前すぎて、逆にちゃんと理解してなかった。
なので調べてみました。
「完全パッケージ」の略です
カンパケ=完パケ=完全パッケージ。
編集もMA(音の仕上げ)もテロップも全部終わって、「あとはオンエアするだけ」の状態にまとめ上げたもの。それが完パケです。
ここまでは「まぁ、そうだよね」って感じだと思う。
でも、じゃあなんで「パッケージ」なのか。ここが面白い。
テープの時代の名残
テレビ放送って、最初は生放送が主流だったんですよ。1950年代〜60年代の話。
それがVTR(ビデオテープ)の普及で、収録→編集→納品っていう今のワークフローに変わっていった。で、その「納品」っていうのが、文字通りテープを物理的にパッケージして放送局に届ける行為だった。
つまり「完全にパッケージングされた状態」=完パケ。
物理メディアを箱に詰めて届けるイメージが、そのまま言葉になってるんですよね。
「完パケ納品」と「素材納品」
放送業界では、制作会社から放送局への納品形態が大きく2つに分かれます。
完パケ納品——制作会社側で全工程を仕上げた状態で納品する。テロップもMAも全部入ってる。あとは放送するだけ。
素材納品——局側でテロップを入れたり、MAをやったりする前提で、ある程度の素材状態で渡す。
この区分が、契約やワークフローの基本になっている。「完パケでお願いします」は、要するに「全部やってから持ってきてね」ってこと。予算も責任範囲も変わるから、ここの認識ズレは現場では要注意。
テープレス時代の「完パケ」
今はもうテープなんてほぼ使わない。ファイルベースの納品が当たり前で、サーバーにアップロードして終わり。
でも「完パケ」という言葉だけは残ってる。
物理的な「パッケージ」はもうどこにもないのに、概念だけが生き続けている。業界用語って面白いですよね。「よーいスタート」のスタートだって、もともとはフィルムカメラのクランクを回し始める合図だったわけで。言葉だけが時代を超えて残る。
『開幕テンミリオン』の編集タイムライン。DaVinci Resolve上で165クリップ、約15分の1話をカンパケ中
おひとりさま映画制作の「完パケ」
自分の場合、完パケの意味はもっとシンプル。
脚本、撮影、編集、カラーグレーディング、MA、テロップ、サムネイル制作——全部ひとりでやっている「おひとりさま映画制作」だから、完パケの判断を下すのも自分しかいない。
「これで完パケ」と言える瞬間は、誰かに確認してもらうわけでもなく、自分が納得するかどうかだけ。それが楽であり、怖くもある。
ちなみに冒頭のポストの件、長編映画1本分を一週間でカンパケるプロジェクト『開幕テンミリオン』は現在進行形でゴリゴリ進めてます。睡眠は削ってます。
バズ / ゴシップシュガー・フィルムズ



